吉渡貴代 さん
卒業年
専攻科40期(2017年秋生入学)卒業
音楽を志した経緯
幼少期から音楽一筋。演奏家になるのが夢で音大に進学するつもりだったのですが、親にも先生にも反対されて「やっぱり私の実力ではプロにはなれないだろう」と考え直し、音楽の道は諦めたつもりでした。
大学進学後、趣味としてサークル活動で音楽を続ける中でPAやエレクトーンのデータ制作等に携わり、音を「作る」楽しさを知りました。やがて就活の時期になりましたが特に希望もなく、親に勧められるまま受けた先では熱意のなさを見抜かれて当然不採用。そこで改めて自分が本当にやりたいことは何だろう?と考えたときに、やはり音楽しかありませんでした。
そこでもう一度音楽の道を本気で志すことを決意。小さな頃からゲーム音楽が大好きだったので、現在は「ゲーム音楽に携わる仕事に就くこと」を目標に、仕事の傍ら日々勉学に励んでいます。
音楽の経歴
エレクトーン(20年)、ピアノ(15年)、打楽器(吹奏楽とカホン・10年)、DTM(1年)
作品試聴
春~花舞う約束の場所で~(平成30年6月制作)
オーケストラ制作演習の卒業課題でした。個人的には作曲よりもその後の聞こえ方の調整の方が大変でした。生のオーケストラ演奏に少しでも近づけるために音量バランスやリバーブのかけ方には気を配りましたが、手持ちのパソコンでは手に負えず、DTM専用のパソコンを買い足すこととなりました(笑)。
夏~Blue Sky, Blue Sea~(平成30年9月制作)
ダンスミュージック制作演習の卒業課題でした。これまでEDM曲を積極的に聞いてこなかったので基礎がわからず、まずは色々な曲を聴くところから始めました。ソフトシンセでの音作りやサイドチェインなど、普段とは異なる制作方法が多く新鮮で楽しかったです。
秋~ぼくらの京都旅行~(平成30年9月制作)
ゲーム音楽制作演習の卒業課題でした。卒業作品全体のバランスを考えて、敢えて普段好んで聞くゲーム曲とは全く異なるジャンルを選択しました。長調で子どもも親しみやすいポップ調となると個性が出しにくく、曲作りにはかなり悩みましたが、普段自分では作らないような曲を作る機会を頂けてよい経験になりました。
冬~雪の帳~(平成30年7月制作)
ポップス制作演習の卒業課題でした。ボーカル曲の制作は初めてだったので、録音やオーディオ処理にかなり苦労しました。いい音で録音すること、そして録音した音を綺麗に聴かせることの難しさを学べたし、自分で歌うことでレコーディングされる立場への理解も深められたように思います。
デジタルサウンドクリエイター専攻科を卒業して
専攻科に通って良かったこと、成長出来たことをお聞かせいただけますか?
同じく本気で音楽の道を志す仲間(同期)ができたことが自分にとって非常にプラスになったと思っています。制作の悩みを相談しあったりお互いの曲をアドバイスしあったりしていました。同期が作った楽曲は制作における一つの指標にもなっていたし、ついだらけてしまう時に自分を奮い立たせてくれる存在でもありました。また、同期が課題を提出したタイミングが分かるようになっているので、制作ペースなどを見直すきっかけにもなりました。
後輩に対するメッセージ
私個人の感想としては、専攻科の1年間は想像よりハードでしたが想像より楽しく充実していたと思います。私は専攻科に入るまでDTMの経験がなく音符の入力方法もわからないような状態で入学しましたが、基礎の初歩的な部分から教えてくれるのでつまずくことなくやっていけました。不明点は個別に聞いたりもできるので、これまでにあまり経験のない人でもやる気さえあれば問題なくやっていけることと思います。
専攻科は色々な学ぶ機会を与えてくれますが、最終的にどれだけ成長できるかは自分自身の努力にかかっています。それぞれ目標があって入学を考えていることと思いますので、目標に合わせた自分のペースで、お金と時間の許す限り積極的に貪欲に学習をしていくと、充実した1年間を過ごせるかと思います。